尾合橋(おわせばし)
伝説の地(野田地区)
新堀浜と今泉浜の境を新堀川が流れている。今は河川改修工事が行われて大きな川になり、橋も立派になっているが、昔は、新堀の方から一本の丸太が渡され、今泉の方からも丸太が渡され、中央に橋げたの杭があって、橋になっていたそうだ。ちょうど、尾と尾を合わせたような橋だったと、古老はいっている。
この橋を尾合橋というが、こんな話が伝えられている。
前九年の役というから、今からざっと九百五十年も前、東北平定のため、八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)の軍勢が、この地を通ったそうだ。ちょうど、ここにさしかかったとき、増水期のため、水の流れがはやく、馬がおどろいて渡ることができなかった。何百、何千という軍馬のこと、川の水がひくまで待つこともできず、すっかり困り果ててしまった。
その時、二匹の狐があらわれて、
「いぜん、狩りの時、助けていただいた狐です。お礼に橋をつくりましよう。」
と、いって、一匹は川を泳ぎ、今泉側から尾をつき出し、一匹は、新堀川から尾をつき出し、尾と尾を合わせて橋を作ってくれたそうだ。
義家の軍勢は、この橋を渡って東北地方に向ったという。
野栄町史付録
◇今も尾合橋の名で橋が架けられている (平成18年9月撮影)
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