幸右衛門(こううえもん)のおばあさん
伝説の地(飯高地区仲台)
昔、飯高村の幸右衛門という家のおばあさんは、たいへん胆(きも)の座ったことで知られていた。
ある時、小高の三十三枚田の上の山へ、栗拾いに出かけた。すると草むらに一斗入(いっとい)りの菰(こも)ほども太い大蛇が、とぐろを巻いて獲物をねらっていた。その話をあとから来た人に、驚きもせずに話すので、その人が恐る恐る行ってみると、もう大蛇は逃げてしまっていた。
飯高寺と飯場台(めしばだい)の間の道は、木がこんもりと生茂って、昼でも暗いところであった。
ある夜、おばあさんが通りかかると、大入道(おおにゅうどう)がヌーッ、と顔を出した。見ると一つ目のものすごい形相(ぎょうそう)だったが、おばあさんは少しも驚かず、
「おらあ―、二つ目を持っているのに、お前は一つでかわいそうになあ―」
と言って通り抜けて、城下(ねごやや)で用事をたしたそうだ。
帰り道、また大入道が現われ、今度は三つ目でおばあさんを睨(にら)みつけていた。
「お前さんは悲しいことだね。人並みはずれて一つ目になったり、三つ目になったりして!」
と言い返して、平気な顔で家に帰り、その話をした。
それを聞いた村人たちは、おばあさんの肝っ玉の大きいのに驚き、後のちまで語り伝えたそうだ。
原話 飯高村誌
問い合わせ先
このページに関するお問い合わせは生涯学習課 生涯学習室生涯学習班です。
生涯学習センター内 〒289-3182 匝瑳市今泉6489番地1
電話番号:0479-67-1266 ファクス番号:0479-80-9190
メールでのお問い合わせはこちらアンケート
匝瑳市ホームページをより良いサイトにするために、皆さまのご意見・ご感想をお聞かせください。
なお、この欄からのご意見・ご感想には返信できませんのでご了承ください。