疣神様(いぼがみさま)
伝説の地(共興地区吉崎)
吉崎天王前に小さな祠(ほこら)がある。この祠には、馬頭観音(ばとうかんのん)が祀(まつ)られているが、村の人々はこれを疣神様(いぼがみさま)と呼んでいる。観音様を神様というのはおかしいが、疣を治してくれるありがたい祠なので、神様と呼んでいるようだ。さて、この疣神様には次のような話が伝えられている。
昔々のこと。この吉崎に気立てのやさしい二人の姉妹が住んでいた。どうしたことか、姉には顔や首にたくさんの疣があった。疣の先は白くささぐれたり、かさぶたのように黒くなっていて大変汚い疣であった。
お婿さんをもらう年頃になったが、姉は汚い疣のために誰も来てくれる人がいない。妹は疣もなく綺麗(きれい)なので、是非お嫁さんにという人がたくさんあった。姉は、焦るばかりであった。“溺(おぼ)れる者は、わらをも掴(つか)む”というが、姉は毎日のように神社や寺、道ばたの祠を回って祈っていた。
この馬頭観音にも何度かお参りしたが、なかなか治らなかった。
ある日、馬頭観音にお参りすると、祠の前に小さな石が転がっていた。何とはなしにその石を拾って、
「この疣がなくなりますように!」
と祈りながらゴシゴシと擦(こす)ってみた。すると、疣が削り取られるように小さくなるではないか。それから、毎日、観音様へお参りして擦り続けてみた。
何日か続けているうちに、ついに汚い疣が綺麗に取れたのである。姉の喜びたるや、それは大変なものであった。
この話が方々へ広まり、遠くからも観音様へお参りする人々が絶えずたいそう賑わったそうだ。
そうさの伝説とむかし話
◇吉崎にある馬頭観音(平成18年10月撮影)
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- 2019年2月22日
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